悪い告白

悪い告白3

英国のEUからの離脱派の勝利が永遠の御父の介入と思われると書きました。

毎日新聞6月27日の「風知草」(山田孝男)欄で、次の記事が目に留まりました。
当初、英国の世論調査は「僅差ながら、残留派優位」と予測しブックメーカー(政府公認の賭けの管理業者)は「90%の確率で残留」とみていた。
予測が見事に外れた理由については、
「投票当日、残留支持派が圧倒的に多いロンドンが雷雨浸水に見舞われ、投票率が下がった」
「…世論調査の精度に問題」
などの説がある(日経25日朝刊)という
。―

もし、日経の言うように、ロンドンの雷雨と浸水が離脱派に勝利をもたらした理由の一つであるなら、永遠の御父の介入説は、いっそう真実性を帯びてくるのではないかと思われます。

また、MDMのメッセージ2012年9月17日を御参照ください。主は英国で奇跡を起こすと言われております。このメッセージで言う奇跡とは、今回の離脱派勝利そのもののことではないにしても、イギリスがプロテスタントからカトリックに改宗するそのプロセスの発端となる事件であるという気はします。

反キリストとその多くの従者たちは、この国の権力者の多くを支配してきているが、彼らが神の子供たちを盗み獲ることはない」(2012年9月17日メッセージ)

今回の離脱派勝利はメッセージのこの部分と符合するのでは、とも思われます。
また理路不整然ながら、今回の離脱が、反キリストの登場(ということは戦争勃発と終息)が遅らされることにもなるのではとも考えられます。出来事が遅らされるということを、回心のためのチャンスが留まると解せば、多くの人間にとってそれ自体恵みです。それを保証するのが、世界中の、それ自体の数は少なくとも、信仰心を持って毎日十字軍の祈り、ロザリオ、御憐みのチャプレットを祈るキリストの「従者たち」の孤独な苦しみです。

さて、総告解です。『霊魂の誓約ーよき告解』によれば、人によって
1.必ず総告解が必要
2.必要ではないが有益となる
3.有害となる
場合があります。
3の有害になる人とは、「異常な心配と、無益な恐怖に満たされる、小心の人」で、「何回それを告白しても安心できない人」の類いの人で、こういう人には総告解は有害であるかもしれないと書かれてあります。

1の必ず総告解が必要な人とは、簡単に言うと、大罪の告白に関して不正直に告白した人です。大罪を隠したり、回数をごまかしたり、はっきり大罪と分かるように言わなかったりする場合です。これをこのままひきづって死ねば、地獄に行きます。

よくイマクラータから聞いた話があります。彼女はそれを本で読んだのですが、どの本であったか思い出せずにいましたので、私も、彼女からの話によってでしかないのですが、ある修道者がいて、ある大罪を犯し、恥ずかしさのためにそれを告白せずにいました。その後の彼の修道生活において、彼はその罪を挽回するかのように良い修道者を目指し、その徳を周囲が認めるところとなり、ついには修道院長にまで上りつめました。しかし、彼は死に、その悪い告白のために地獄へ行きました。

この悪い告白に対し、総告解がいかに希望の光となるか、『霊魂の誓約ーよき告解』より抜粋してみます。聖人の伝記中にあるエピソードです。

―モンテ・プルチアノの聖アグネエゼの伝記の中に次の話がある。この聖女と、その修道院の有力な後援者で、皆からも立派な信者だと思われていた金持ちがいた。この後援者は聖女のために非常に大きな援助を与えた。そこで、聖女はこの後援者のためにたくさん祈っていたが、ある日、聖女は祈りの時に、脱魂状態に入り、地獄の真中にある火の建物を見た。そうして、ある声が聖女に申された。「アグネエゼよ、この建物は、汝の後援者の建物である。間もなく、彼はここに住みに来るであろう」われに返った聖女は、恐怖に満たされて、さっそくかの紳士を修道院に呼び出し自分が見たことを話した。それを聞いていた紳士は震えだし、顔面蒼白になって、ほとんど気を失わんばかりであった。そうして、正直に、自分は罪の機会に近づいていたので、三十年間よい告解をしなかったことを白状した。聖女は、彼を励まし、直ちに総告白をするように勧めた。

さっそく彼はその勧めに従った。そうして、アグネエゼは別の啓示で、あの建物が天国の中にあるのを見て、「間もなく、汝の後援者はここに住みに来るであろう。」という御声を聞いたのであった。
自分の建物、自分の住処が、悪い告白のために地獄にあることを知っている人は、それを天国に移すためには、いかにしなければならないか、ということはもう言わなくても明らかであろう。―


罪を告白できない人に贈る言葉。

やってごらんなさい。そうすれば、イエズスはどれほど哀れみ深いお方であるかということが分かるでしょう


(2016年7月1日)

悪い告白2

英国の国民はEUからの離脱を選択しました。離脱すればこれからEU諸国への輸出には関税がかかる、金融、経済に大混乱が生じて英国は致命的にダメージをこうむるなど、国民投票前の残留派の警告にもかかわらず、まさかの離脱派の勝利。

これは、グローバルパワーの所業を遅らせ、あるいは弱めるための永遠の御父の介入だと思われます。ご存知のように、EUとは、黙示録の中に出てくる「バビロン」のことだとメッセージは伝えています。

大警告も近づいていると言われています。私たちは全員、例外なく、大警告の前に聖寵の状態を保っていなければなりません。聖寵の状態でいる限り、大警告は恐れる必要はありません。聖寵の状態とは、大罪の状態ではないことです。もし、大罪を犯したなら、カトリック信徒はすぐに告解の秘跡を受けなければなりません。カトリック信徒以外の人は、十字軍の祈り第24番を唱えなければなりません。

悪い告白をしている人は、事の重大さを知るべきです。メセージでは、今、地獄に、雪が降るように霊魂が落ちていると言われています。現代では死ぬ人間の80パーセントが地獄に行くとも言われています。その多くが性的な罪のために地獄に落ちると言います。

悪い告白とは、恥ずかしさのあまり大罪を隠して告白したり、大罪の数を意識的に変えて告白したり、大罪の内容を敢えて曖昧な表現で告白したりすることです。ある司祭によると、そういう人の数は多いということです。

『霊魂の聖薬―よき告解』で、聖テレジアは主イエズスからヴィジョンを見せられました。

―聖女が、ある日祈っていた。突然、目の前に、火と炎で満ちた、非常に深い淵が開け、不幸な霊魂が、たくさんその淵に落ちて行くのを見て、恐怖でいっぱいになった聖女は、天に目をあげながら
「わが天主よ!」と叫んだ。「わが天主よ!私が今見ているものは何でございましょうか?地獄に落ちるこのたくさんの霊魂は、誰の霊魂でございましょうか?確かに異邦人か、未信者か、へブレオ人か、トルコ人の霊魂でございましょう」
「いいえ、テレジアよ。」と天主が答え給うた。「そうではありません。汝(なんじ)が、今、私の許しで地獄に落ちるところを見る霊魂は、皆汝と同じ信者の霊魂です。」
それでは、信仰を持っていなかった人の霊魂でございましょう。信心業を果たさなかった人、秘跡に近づかなかった人の霊魂でございましょう。」
「いいえ、テレジアよ、そうではありません。このすべての霊魂は、汝の様に洗礼を受けた信者の霊魂で、汝の様に信仰を持ち、汝のように信心業を果たした人の霊魂です。」
「それでは、少しも告白しなかった人の霊魂でございましょう。臨終の時にさえも・・・」
「いいえ、告白していた霊魂です。臨終の時にも告白した人の霊魂です。」
主よ、それではどうして地獄に落ちるのでございましょう。」
「それは、悪い告白をしたためです。テレジアよ、行ってすべての人にこの啓示をお話しなさい。司教たちに、司祭たちに、告白の重大さと悪い告白についての説教をなお続けるように薦めなさい。私の信者が、この薬を毒に変化させないため、哀憐(あわれみ)と赦しの秘跡であるこの秘跡を悪用しないために」

あるいは、それでは悪い告白は非常に多いのですね、と言う人があるかもしれない。聖アルフォンソ、聖フィリッポ・ネリ、ポルト・マウリチオの聖レオナルドは異口同音に、不幸にも悪い告白はたくさんあると、言っておられる。告白場に、あるいはまた臨終の人の枕元に、無数の告白を聴いた彼等は、この悲しむ事実を度々経験された。黙想を指導する我々司祭も、この通りであるということを認める。イタリーの有名なサルネリ師いわく
「不幸にも、瀆聖の告白をする霊魂はたくさんある。長い経験を積んだ司祭たちがそれを知っている。そうして、皆が、公審判の時それを知ってびっくりする。大きな町だけではない。小さな村にも、修道院の中にも、信心深いと思われる人々のうちにも、瀆聖の告白が重ねて行われる」と。―

今では、告解の重要性を説く司祭は稀にしかいません。行われている瀆聖の告白の数は、聖テレジアの時代よりもはるかに多いと推理することは、合理的です。

しかし、主は憐み深い神であられます。瀆聖の告白を重ねて行ってきた人も、決して絶望する必要はありません。痛悔し、総告解をすればよいのです。総告解とは、生涯犯したすべての罪、あるいは最初に大罪を隠して告白した日から今日までの全ての罪を告白することです。

次の機会には、『霊魂の聖薬―よき告解』から、総告解の箇所を抜粋してみます。


(2016年6月26日)

悪い告白

今日は、先ごろ希望者に配布した『霊魂の聖薬―よき告解』から、瀆聖の告白のために地獄へ行った人と、瀆聖の告白を断ち切り尊者になった人の話を抜粋してみます。

―ある少女が七つの時に、清浄をそこなうある罪を犯した。恥ずかしさのために、初告解の時にも、それ以後の告白にもその罪を告白しなかった。重病にかかった時に、聴罪司祭を呼ばせて、臨終の聖体拝領、終油の秘跡を受けて亡くなった。その母も、姉妹たちも、友達も彼女の死を悲しんだが、もう救霊を得た、天国に入っているという考えで自分たちを慰めていた。葬式後三日目に、司祭がその娘の霊魂のためにミサ聖祭を捧げようとして、祭壇に近づいた時に、誰かが彼の祭服を引っ張って止めた。そうして、心を裂くような悲しい声が彼にこう言った。
「神父様、私のためにミサを捧げないで下さい。私は地獄に落ちました。七つの時に犯した罪を告白しなかった罪のために、地獄に落ちました。―

―ローマ市民の尊者マリア・フォルナリが、自分について左記のようなことを物語っている。娘時代に、不幸にも慎みをかくある罪を犯した。後にはもうそのことをしなかったが、恥ずかしさのために犯したその罪を告白する勇気がなくて、瀆聖に瀆聖を重ねて、そのまま過ごした。そうして、彼女は心の平安を得られなかったので、修道女になろうと決心した。
ウンビリア州のトディ市の修道院に入り、着衣式をして、三つの誓願を立てた。しかし、いまだに彼女の心には地獄があった。いかに悲痛に沈んだ日を過ごしたことであろう。ついに、聖母の被昇天前九日間の祈祷において、心の中に、回心の御恵みを、マリア様にお願いしようというよい考えが浮かんだ。そうして、非常に熱心に祈ったので、直ちに、聴罪司祭にだけでなく、修道院にいる全ての修道女の前にも、自分の罪を言い表す決心と力とを得た。
今までの全ての罪を総告白で改め、その時から、聖人の様に聖なる生活をしたので、尊者と尊敬されるまでになった。
右の例によって、告白をもって、イエズスが、罪の赦しを与えるだけでなく、聖人になる力までもお与えになることが分かったであろう。その為に、神学者は、正しき告白は聖人になるための最も有力な方法である、と言っている。我々もこれを信じてよく告白を利用しよう。―


(2016年6月20日)

powered by Quick Homepage Maker 5.3
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM